世界でも珍しい血液病
今年8月、中国広東省のある人に、下半身に潰瘍ができて、痛みが激しくなり、冷房にあたると全身がふるえ、激しい痛みが全身に拡散する症状があらわれた。病院で血液検査が行われたが、患者体内では流動する血液が、空気に触れるとすぐプリン状になってしまった。病院側はさまざまな抗凝血の試験管を使ったが、全く効果はなかった。
診察をした広東省人民医院は、人体と同じような温度の環境で血液の血清を分離したが、普通の環境に3分間置くと、またプリン状になった。
結局、病院は患者の血液を長時間37度の温水箱にいれ、その中で何とか患者の病因を突き止めた。多発性骨髄腫瘍という血液病だった。
骨髄腫瘍は老人に多発する悪性腫瘍で、腫瘍細胞は大量の異常免疫グロブリンを分泌させ、そのグロブリンは凝縮因子が多いと、体表の血管中で凝集して血液の流れを悪くし、皮膚の潰瘍と壊死がおきる。これは凍傷(霜焼け)の原理に似ている。
医学文献によると、この患者のような高強度の凝固性血液は、世界で3例しかないという。中国ではもちろん初めてであった。
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