杭州市

杭州は中国七つの古都のひとつである。
五代と南宋の都であったところであり、臨安とも名を付けられた。現在、浙江省の省都である。
杭州は浙江省の北部、大運河の南端にあり、亜熱帯湿潤季節風気候に属し、四季がはっきりしている。
気候は温暖湿潤で、春、夏の転換期には梅雨があり、夏、秋の転換期に台風が多い。
気温は1月2度〜8度、7月27度〜30度である。

中国には「上に天堂天国があり、下に蘇州杭州がある」ということわざがある。

伝説によると、宋の詞人柳永の杭州を詠った歌詞が北方に流れ、
それを聞いた女真族の王が杭州の美景に魅了され、軍隊を率いて、宋を侵略した。
杭州の西湖は中国十大風景名勝地のひとつであり、
湖の白堤と蘇堤は唐の詩人白楽天と宋の詩人蘇東坡が杭州知事で在任時に作ったものである。
古跡は岳飛の墓、霊隠寺、六和塔、断橋、保俶塔がある。
また、虎瀑泉、天竺山、黄龍洞、玉皇山、西湖十景等著名な風景地がある。

最適な観光シーズン

一年中違うシーズンで、景色が変わる。夏は暑いけど、西湖の蓮の花は満開、別種の風情がある。
3、4月に雨が多く、綿々たる小雨のなかに、朦朧としている西湖はまるで一枚の水墨画である。これはお薦めである。
秋はもちろん最高の季節であり、夕陽の西湖は人の心が解けるように美しい。
冬は雪があるときが素晴らしい。

西湖夕日 

夏の蓮 

 

小瀛洲

西湖

宋代の名詩人蘇東坡には「欲把西湖比西子、濃粧淡抹総相宜」と言う詩がある。
その意味は、西湖は中国古代の四大美女の一人西施と同じくらい美しく、濃い化粧でも薄い化粧でも綺麗に見える。
朝も夕も、雨も晴れも、春も秋も、夏も冬も、時が流れても、西湖はいつでも美しいの姿をしている。
西湖に十の景勝があり、「西湖十景」と呼ばれる。それは
蘇堤春暁
柳浪聞鴬
双峰挿雲
平湖秋月
曲院風荷
断橋残雪
三潭印月
南屏晩鐘
花港観魚
雷峰夕照
である。

六和塔

宋代(紀元970年)に灯台の役目として建てられた塔である。最高階に登れば、雄大な銭塘江を眼下に収められる。
中国の国宝に指定されている。

霊隠寺

東晋時代(紀元326年)、インドから来た僧慧理が建てた寺である。中国禅宗の十大寺の一つである。
正殿の門の上に、乾隆皇帝が書いた「雲林禅寺」の額が飾られている。
伝説によると、乾隆皇帝は南巡のため、杭州に尋ね、霊隠寺に行った。焼香後、住職は皇帝に寺の名の書を求めた。
乾隆は快く筆を振るい、霊隠寺の”霊”の字の上半分の「雨」を書いたとき、大きすぎるのではないかと宦官に言われたが、
皇帝はミスを認めず、しかも、心機一転、「雲」と書いた。続いて、林禅寺三字も書き終えた。
そして、乾隆は「この寺に雲林禅寺の名を賜る」と言った。
故に、霊隠寺は雲林禅寺とも称されている。
正殿のなかには、中国最大の釈迦の像が安置されている。
霊隠寺に願いをかければ必ず叶うことが中国で一番有名である。

杭州名物としては、西湖龍井茶が有名である。シルク、織錦、シルク傘、檀香扇子、山クルミ、カヤの実等も大変有名である。

戻る


日中情報交流センターのすべての記事の無断転用を禁じます

記事に関するお問い合わせはこちらまでお寄せください