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揚州名園(二)         痩西湖   

痩西湖

   

痩西湖は揚州の西北の郊外にある、有名な観光遊覧の場所である。
痩西湖はもともと自然の川筋であり、歴代の浚渫(川をさらって深くすること)により、庭園として形成された。
痩西湖は名の通りで、湖面は広くなったり、狭くなったり、曲がりくねって流れ、観光客に美を感じさせる。
湖の両岸には枝葉が茂った高低疏密な木々が生えており、庭園の建築は古風で、形の変化に多く、
船が進行中に景色も変わり人を夢見心地にさせる。

痩西湖は全長4.3キロで、遊覧面積が30ヘクタールあまりである。
名勝は長堤、徐園、小金山、吹台、月観、五亭橋、鳧荘、白塔がある。
長堤は湖の西岸にあり、公園の入口から小金山まで、長さは数百メートルである。堤に柳と桃の木が交互に植えられている。
これは揚州の二十四景色の一つであり、「長堤春柳」と称される。

長堤の末端には、円形の門があり、上に「徐園」の文字がある。
ここは観客の休憩所である。門内には澄んだ池水があり、蓮が浮いている。
池の周辺には各種の形の積み石があり、数本の柳が風に舞い、訪れる人を迎える。
園内の正殿は「聴(麗鳥)館」であり、古典雅致な装飾で格調が高い。
正面にマホガニーの壁があり、屏風の形で一壁に五枚の清代の磁製タイルの山水絵が飾られており、
表面はガラスで覆われていて、工芸がとても精美であることがわかる。

小金山は湖のなかの小島である。この島は清代の中期に造られ、元の名は長春嶺である。
当時、揚州の名士達は痩西湖から大明寺の水上通路を開通するため、痩西湖の西北で蓮花(土更)新河を掘り、
土が小山になり、後の小金山になった。
小金山の周辺は全部水であり、水は山に廻り、山は水をより生かす。
山頂に風亭があり、そこは全園で一番高いところである。

月観は湖に面した建築であり、四辺は格扇であり、建物の後ろは桂園である。
8月に、金木犀が満開し、園内はその香りが満ち溢れる。
窓辺で月を観賞する際に、天上水下の二つの月に照らされ、
まるで絵のなかに引き込まれたような幻想的な雰囲気を味わうことが出来る。

五亭橋は痩西湖の湖面にかかる、まるで一本の長い帯である。橋に五つの亭を建てられ、故に五亭橋と呼ばれる。
この橋は揚州の風景線上の目印であり、特色ある美しい橋である。橋の造形は典雅で、
赤い柱の上を黄色の瓦の屋根が覆い、白い手すり、亭内の彩絵等を加え、南方の建築の立派さを伺うことが出来る。
橋の下部の分厚い橋脚は北方の建築の特色を見せつける。
五亭橋は南北建築芸術、庭園建築とが出会った優秀作品である。
また、橋には15個の空洞があり、満月の日に、空洞がそれぞれ月を透し、
時間の経過により15個の満月の影が水中につぎつぎと映しだされる。
船で空洞の間に往来すると、かなり風情がある。

五亭橋の東側には、鳧荘という湖中の小島がある。
島の上には、水辺に臨む建築があり、遠くから見ると、一羽の鴨が水上に浮いているように見える。
白塔は五亭橋の南にあり、北京の北海公園の白塔と似ている。